「確実な遺言を残すなら公正証書が良いと聞いたけれど、手続きが難しそう」「公証役場に払う手数料って、一体いくらかかるの」。そう感じていませんか。
この記事では、公正証書遺言の作成にかかる費用(公証人手数料)から、必要な書類、証人の選び方、作成当日までの具体的な流れを行政書士が解説します。公証人手数料は2025年10月に法改正で見直されており、この記事は改正後の最新料金でご案内しています。
公正証書遺言の作成にかかる「費用」の目安
公正証書遺言を作成するには、公証人に支払う手数料が必要です。この公証人手数料は法律(公証人手数料令)で定められており、全国どこの公証役場でも一律です。手数料は「財産を譲り受ける人(相続人や受遺者)ごとに、その人が受け取る財産の額」を基準に計算され、それらを合算して総額が決まります。
| 目的の価額(財産を受け取る人1人あたり) | 基本手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 50万円超100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超500万円以下 | 13,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 20,000円 |
| 1,000万円超3,000万円以下 | 26,000円 |
| 3,000万円超5,000万円以下 | 33,000円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 49,000円 |
知っておきたい「遺言加算」
全体の財産総額が「1億円以下」の場合は、計算された基本の手数料に、さらに「1万3,000円」が加算されます(遺言加算)。
基本手数料:26,000円 + 遺言加算:13,000円 = 合計目安 39,000円(これに正本・謄本の交付手数料など数千円が加わります)
公証人に出張してもらう場合
病気などでご自身が公証役場に出向くことが難しい場合は、公証人に自宅や病院、介護施設へ出張してもらうことも可能です。その場合、基本手数料が5割増し(病床執務加算)となり、別途、公証人の日当(4時間まで1万円、1日2万円)や交通費の実費が必要になります。
遺言作成に必要な「証人」とは?
公正証書遺言を作成する際には、必ず「2名以上の証人」が立ち会う必要があります。これは、遺言者が間違いなく自分の意思で遺言を残したことを第三者に確認してもらうためです。
証人になれない人(欠格事由)に注意
誰でも証人になれるわけではありません。民法974条により、次にあてはまる人は証人になることができません。
- 未成年者
- 財産を譲り受ける予定の人(推定相続人・受遺者)とその配偶者・直系血族
- 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人
「頼める人がいない」ときはどうする?
「内容を知られたくない」「高齢の友人には頼みにくい」といった理由で、ご自身で証人を手配できないケースは少なくありません。その場合は、公証役場に証人を紹介してもらえる場合があります(紹介の可否や費用は公証役場によって異なるため、事前の確認が必要です)。また、当事務所のような行政書士に遺言作成のサポートをご依頼いただいた場合は、私たち専門家が証人として立ち会うことも可能です。
手続きに必要な「書類リスト」
公正証書遺言を作成するためには、以下のような書類を事前に集めて公証役場へ提出する必要があります。
- 遺言者本人の確認書類印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)および実印。
- 財産を譲る相手を特定する書類戸籍謄本や、相続人以外へ譲る場合はその方の住民票など。
- 財産を特定する資料不動産がある場合は「登記事項証明書」と「固定資産評価証明書(または納税通知書)」。預貯金の場合は、銀行名・支店名・口座番号がわかる通帳のコピーなど。
ご自身で役所や法務局を回ってこれらの書類をすべて収集するのは大変な手間がかかるため、専門家に代行を依頼される方が多くいらっしゃいます。
ご相談から作成当日までの「流れ」
- 財産の整理と遺言内容の決定どのような財産があるかを把握し、「誰に・何を譲るか」を決めます。専門家へ依頼した場合は、この段階で法的に確実な「遺言書の原案」を作成します。
- 公証人との事前打ち合わせ原案と必要書類を公証役場へ提出し、公証人と内容や作成日時、費用の打ち合わせを行います。
- 作成当日(公証役場へ)ご予約した日時に、遺言者ご本人と証人2名で公証役場へ赴きます。公証人が遺言の内容を読み上げ(または閲覧させ)、遺言者と証人が確認した上で、各自が署名・実印で押印します。
- 完成・保管公証人が署名・押印し、公正証書遺言が完成します。原本は公証役場で長期間厳重に保管されるため、紛失や偽造の心配はありません。お手元には保管用の「正本」や「謄本」が渡されます。
よくあるご質問
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- 公証人手数料は財産額に応じて法律で定められており、2025年10月の改正で見直されている
- 証人2名が必要だが、用意できない場合は公証役場の紹介や専門家の立ち会いも選べる
- 戸籍謄本や不動産資料など、書類収集には時間がかかるため早めの準備が安心
- 作成後の変更・撤回も可能で、状況の変化に応じて見直せる

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